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浅野温子(女優)×小早川涼(作家)対談 女ふたりの江戸語り

江戸城の台所人・鮎川惣介と、幼なじみの御広敷の添番・片桐隼人が幕府にからむ謎を事件に巻き込まれながら解決していく歴史時代小説「包丁人侍事件帖」。これまでに『将軍の料理番』『大奥と料理番』『料理番子守り唄』『月夜の料理番』『料理番 春の絆』の5作が発表されています。実は、この「包丁人侍事件帖」シリーズの大ファンだという女優の浅野温子さん。そして、著者の小早川涼さんも浅野温子さんの大ファン。そんなご縁で実現した二人の対談を3回にわたってお届けします。

秘密のイメージキャストでアイディアを練る

更新日:2013/6/24

浅野温子:『包丁人侍事件帖』シリーズの新作がなかなか出ないのは、どうしてなんですか?

小早川涼:どきっ! それは――、学研の編集者さんの前では言いにくいんですけど、実は別の出版社で、新シリーズを立ち上げてですね。ここで、スランプに陥ってしまって……。

浅野:あー、他でお仕事されてたんですか。

小早川:包丁人侍シリーズの第一弾『将軍の料理番』の時も、ものすごく時間がかかったんですけど、新シリーズを書くのって、新しい世界観を構築しないといけないから、本当に大変なんですよ。『包丁人』シリーズでは、巻を追うごとにキャラクターが勝手に動いてくれるようになってきたから、少し自信が出てきてたんですけどね。またひとつ新しいシリーズを作るのは、まったく別の力が必要なんだと思い知りました。

浅野:ゼロから創作する作業って、すごいエネルギーが必要でしょうけど。私、読む側だから、無責任に、「早く読みたい!」「早く書け!」って、つい思っちゃいます(笑)。

小早川:(身を縮めて)申し訳ありません。私、登場人物を描く時に、勝手にイメージキャスティングをして進めるんですけど、新シリーズは、最初のキャスティングに失敗してしまったようで。1年かかってまだ書けなくて、唸ってたところに、テレビで主人公のイメージにぴったりあう俳優さんをみつけて。その俳優さんを頭の中で笑わせたり怒らせたりして書くようになってから、なんとか進みだしたんです。

浅野:イメージキャスティングをして書いてらっしゃるんですか。包丁人侍シリーズもですか?

小早川:はい。実は、私なりにイメージキャスティングした俳優さんたちの写真を壁に貼って、それを見ながらアイディアを練ってるんです。

浅野:え、誰、誰? 惣介は? 親友の隼人は? ……って聞きたいところですけど。

小早川:言わないほうがいいですよね。私の勝手なイメージだし。

浅野:読む人は読む人で、自分の好きな人を自由にイメージしてるでしょうからね。

小早川:「私のイメージと違う!」ってがっかりさせてもいけないし。

浅野:でも、だから、キャラクターがとても生き生きしてるんですよね。

小早川:そう言っていただけると嬉しいです。このシリーズは、3巻目あたりから、登場人物たちが勝手に動きだしてくれて、キャラクターが膨らんできている感覚があるので、そういう面では楽しいですね。

浅野:あー、読んでてもそういう感じ、わかる! 文庫読み切りシリーズの面白さのひとつって、新しい作家の方が、どんどんお上手になっていくのを目の当たりにできることっていうか――もう私、書く苦労なんてわからずにエラそうな言い方になっちゃいますけど、巻を追うごとに、どんどん面白くなるんですよね。

小早川:最初に比べると、ちょっとずつですけど、上手くなってるって感覚はありますね。もっと上手く書きたいですけど。

浅野:ね? そうでしょ? 説得力が増してるもん。これは惣介が言うセリフだよねとか、隼人ならこう行動するよねとか。ドンピシャな快感があるんですよ。

小早川:でも、ときどき惣介が言いそうにないことを書いちゃうことがあるんですね。すると、筆が止まっちゃうんです。それで何も書けない日が続いて、やっと「あ、惣介はこんなこと言わない」とわかって、なんとか進むという感じ。

浅野:あー。キャラクターができあがってからもご苦労があるんですね。でも、読者は新しいのが読みたいのぉぉ!

浅野温子・小早川涼のプロフィール


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