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『風の旅』に読む、人の正直さ

ph_9月4週目「字は書いた人の性格を反映しているのか?」

 知人、友人と雑談する中で、このような話題に触れた経験のある人は、私だけではないだろう。私自身は、字と性格は無関係だと考えるが、「直筆の履歴書の字が汚かったら、その人と面接するとき色眼鏡で見ちゃうじゃない」などと考える人もいると思う。

 本書『四季抄 風の旅』は、著者である星野富弘が日常で感じたこと、花を見ていて思ったことなどの文章が添えられた絵を収録する作品集だ。もし、著者の来歴を知らずに、どれかひとつの作品、そしてそこに書かれた字を見て「あまり上手な字じゃないなあ」との感想を持ってしまう人がいても不思議ではない。一方で、たとえば『しおん』という作品に書かれた「ほんとうのことなら多くの言葉はいらない」との言葉を見て、その意味と字の印象から優しい人柄が表れている、と感じる人もいるだろう。

 著者は中学教師時代、器械体操のクラブ活動指導中に事故に遭い、手足の自由が奪われてしまった人物だ。だから、ペンは手でなく口でくわえ、作品を制作している。作品によって字の“くせ”が違って見えるのは、おそらくその日の体調や気分の変化も影響しているのだろうと考えられる。

 こうした点で、著者の字は非常に「正直」なのではないだろうか? 冒頭で述べたとおり、私は字と性格に因果関係があると思わない。しかし、瀕死の重傷を負い、その後は体の自由も利かなくしまった中で、その時々の著者の心象風景が字と絵に表れている――本書は著者の正直さが描かれた作品集だと思う。

迪/男性/30代

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更新日:2014/9/23

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作品紹介

四季抄 風の旅

詩画に生きる希望を見いだした著者が、折々の花にその想いを託して綴った生命のうた。星野富弘がはじめて描いた「花の詩画集」。全国に感動の波をひろげるロングセラー。
星野富弘・著
1400円(+税)/学研パブリッシング


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