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第6回 ララの決意と“ミトコンドリア・イヴおばあちゃん”

 レイプされて授かった子を産む――ララにそう決意させたのには神田の存在がありました。

 神田はザザ、ララの母であるマイラを見舞ったことがありました。その時マイラは“おばあちゃん”になってみたかったと話しました。それを聞いた神田は、彼女にミトコンドリア・イヴの話をします。

 現生人類、つまり今生きている私たち人間の祖先は、約20万年前にいた一人の女性、ミトコンドリア・イヴと呼ばれる女性のDNAを受け継いでいるという定説です。(その女性はアフリカ大陸に生きていたという説も有力です。)なんと、今生きている人間は、みんな同じおばばちゃんをもっているというわけなのです。

 病院にいた母マイラは神田の話を聞き、希望を捨てないでいようと思いました。もう一度家族に会いたいという願い、神田に家族の絆の証しである「笛」を渡したのでした。

 ところで神田はララを探し出した際にもこの話をしていました。ララもきっとおばあちゃんになれると……。

 さて戦場です。神田は傷ついた仲間を担ぎ、決然と戦場を横切ります。その身に赤十字の旗をまとい懸命に歩く神田を、誰も撃つことができません。救出成功です。さらに神田は休む間もなくザザに「笛」を投げてよこすと、懐かしいあのメロディを口笛で奏でてみるのでした。

……ザザは思い出します。それは一家のご飯――楽しい団らんの始まり――を告げる旋律であったことを。自分でもそのメロディを吹いてみるザザ……。その表情は以前の優しいそれに戻っていました。少年兵は銃を捨て、銃撃戦は収束します。

 姉ララの存在は「14歳の兵士ザザ」のテーマを提起するという点において、ザザに勝るとも劣らない存在感を示しています。

 

 

(編集担当者)

更新日:2015/11/16

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作品紹介

14歳の兵士ザザ

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ジュネーブ条約上ではいてはならない14歳以下の「子ども兵士」。しかし現実に世界の紛争地域に存在する。そこで1人のマンガ脚本家が赤十字国際委員会から許可されたジャーナリストとして、アフリカの紛争地域を取材。解決の糸口を探った渾身のジャーナルコミック。

作・大石賢一
漫画・石川森彦
監修・赤十字国際委員会
¥1,200+税/学研プラス
(旧学研パブリッシング)


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