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ホームウェブ連載コラム佐藤江梨子(女優)×道尾秀介(作家)対談 「Jam Session」第2回 > 男でも女でも、関係を持てなかった人のことを「愛おしい」って思えることはあるんじゃないかな、と思います(佐藤)

佐藤江梨子(女優)×道尾秀介(作家)対談  「Jam Session」

2004年『背の眼』でデビュー以来、『シャドウ』『龍神の雨』そして、直木賞受賞作『月と蟹』など、数多くの話題作を書き続けている道尾秀介さん。その道尾さんが毎回、自らの作品をテーマにゲストと語り合うこの対談。第2回目のゲストは女優の佐藤江梨子さん。小説もお書きになる佐藤さんとお話し頂く作品は『球体の蛇』。奇しくも本作の構想がまとまった場所「スノードーム博物館」で行なわれた話題豊富な対談を3回にわたってお送りします。

男でも女でも、関係を持てなかった人のことを「愛おしい」って思えることはあるんじゃないかな、と思います(佐藤)

更新日:2013/10/24

――ちょっとお話変わっちゃうかもしれないんですけど、この『球体の蛇』の主人公の印象を佐藤さんに伺ったところ、「頭のよいモラトリアム」という言われ方をされたんです。「頭のよい」が付いているのが、ちょっとおもしろかったんですね。

佐藤:この友彦という主人公は、自分で「これは言っちゃダメだ」とか超反省しますよね。回想形式で後から語っているから余計にそうなるのかもしれないんですけど、ダメだと思っているのにそれをやっちゃう。自分には止められなかったというような表現も出てきます。それが許されてしまうのがモラトリアムだから。
ものごとには、夢中でそれをやっちゃう人と、わかっているのにわざとやる人がいますけど、その二つは別物だと思うんですよ。友彦はたぶん頭がよすぎるので、「これを言っちゃいけないんだろうけど」と思いつつも、「たとえば」なんていいながらあえて口にしてしまうんでしょうね。

――男女の違いについてお聞きしたいです。『球体の蛇』は、女性読者の意見が分かれているような気がするんですよ。「大好き」な人と「気持ち悪い」と感じる人と。

佐藤:男でも女でも、関係を持てなかった人のことを「愛おしい」って思えることはあるんじゃないかな、と思います。「究極の片思い」みたいな。
実らなかった初恋の相手をずっと追いかけちゃったりするじゃないですか。例えば、昔好きだった相手に似てる子供を見て、「昔の○○ちゃんに似てるな」と思ったり。そういった意味では、友彦をそこまで変だとは思わないですね。

道尾:あれどうですか? 友彦が床下に忍び込むシーンとか。あれ、女性にはわりと不評なんですけど(笑)。一般的に言って、相手が本当に片思いの人だったとして、たぶん女性のほうが行動にブレーキをかけますよね。床下に忍び込むという行為は、女性だと「バレたらどうしよう」と躊躇うと思うんです。

佐藤:そうですね。「バレたらどうしよう」とか、「犯罪なんじゃないかな」とか。いや、犯罪ですけどね、立派に。

道尾:(笑)。あと女性は「恥」というものを知っているんでしょうね。何かの本に「女性の心の半分は恥でできている」という表現があったんですけど。男は恥の部分が一瞬にして掻き消えちゃうので。何かに夢中になると。

佐藤:そうですね。うちの家族も、私が着ている服の露出がちょっと多いと、お父さんは「ちょっとセクシー過ぎないかなぁ。なに? カーニバルなの?」とか言うんですよ。お母さんはもう「そんな恥ずかしい格好!」って、恥を前面に出して言ってきますね。

対談場所/スノードーム美術館 司会・構成/杉江松恋 撮影/丸毛透

作品紹介

佐藤江梨子(女優)×道尾秀介(作家)のプロフィール 佐藤江梨子写真集の購入はこちら 道尾秀介 公式Twitter

スノードーム美術館


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