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ホームウェブ連載コラム谷原章介(俳優)×道尾秀介(作家)対談 「Jam Session」第2回 > 僕の趣味と、世の中の人のある程度の人数の趣味が共通してたから本が出せてるんだと思うんです(道尾)

谷原章介(俳優)×道尾秀介(作家)対談  「Jam Session」

2004 年『背の眼』でデビュー以来、『シャドウ』『龍神の雨』そして、直木賞受賞作『月と蟹』など、数多くの話題作を書き続けている道尾秀介さん。その道尾さんが毎回、自らの作品をテーマにゲストと語り合うこの対談。第1回目のゲストは俳優の谷原章介さん。読書家としても知られる谷原さんと語って頂く作品は2012年の作品『ノエル』。物語とは何か、演じるとはどういうことか、そして、意外な共通の趣味まで─話題豊富の対談を全3回でお送りします。

僕の趣味と、世の中の人のある程度の人数の趣味が共通してたから本が出せてるんだと思うんです(道尾)

更新日:2013/8/7

谷原:道尾さんはいつ物語を書くのを生業にしようとおもったんですか?

道尾:決めたのは19歳のときですね。10年間かけて何かの職業になろうと頑張って、それでもなれなかったら才能が無いということだと考えて、10年で30歳になるまでやってみようと思いました。それでぎりぎり29歳のときにデビューできたんです。

谷原:自分のなかでこの一冊を読んでなろうと決めた本というのはありますか?

道尾:小説をたくさん読むようになって、若い時代特有の思い込みで、自分が書いたほうがおもしろいんじゃないかと思ったんです。で、実際やってみたら自分が書いたやつのほうがおもしろかった(笑)。

谷原:ほう(笑)。

道尾:プロの作家の作品よりも、19歳の自分が書いたものの方がおもしろいって言えるのは、世界で僕だけだったんです。僕以外の人が読んだら、書店で売られている小説のほうがおもしろいに決まってます。でも、クオリティはともかく、趣味は100%僕に合ってる小説なわけですよね。だから僕が読む限りは最高におもしろい。
 それで最初の勘違いが始まって、それから19年間ずっと勘違いが続いてる状態です。僕の趣味と、世の中の人のある程度の人数の趣味が共通してたから本が出せてるんだと思うんです。

谷原:でも、19歳で俺には書けるなって思った時に、ストーリーの組立て方とか、自分なりのある程度の論理みたいなものが見えたからそう思ったわけですよね。それって小説書きの共通項みたいなものが見出だせたわけですから、勘違いじゃないんじゃないですか。

道尾:文章の持っている力の大きさが本を読むたびにわかってきて、僕ならそれをこう使うんだけどなみたいなのがあったんですね。そういう文章の用法は自分のものにできたと思うのですが、すべての人におもしろいと言わせられるようなストーリーの組み立て方は残念ながら今でもわかりません。自分がおもしろいと言えるものを書くだけですね。
(次号に続く)

司会・構成/杉江松恋  撮影/干川 修

作品紹介

谷原章介(俳優)×道尾秀介(作家)のプロフィール


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