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ホームウェブ連載コラム谷原章介(俳優)×道尾秀介(作家)対談 「Jam Session」第3回 > 僕は実は子供のころ童話を読んだことがないんです(道尾)

谷原章介(俳優)×道尾秀介(作家)対談  「Jam Session」

2004 年『背の眼』でデビュー以来、『シャドウ』『龍神の雨』そして、直木賞受賞作『月と蟹』など、数多くの話題作を書き続けている道尾秀介さん。その道尾さんが毎回、自らの作品をテーマにゲストと語り合うこの対談。第1回目のゲストは俳優の谷原章介さん。読書家としても知られる谷原さんと語って頂く作品は2012年の作品『ノエル』。物語とは何か、演じるとはどういうことか、そして、意外な共通の趣味まで─話題豊富の対談を全3回でお送りします。

僕は実は子供のころ童話を読んだことがないんです(道尾)

更新日:2013/8/20

道尾:『ノエル』なんて、童話が中心になっている作品を書いておきながら、僕は実は子供のころ童話を読んだことがないんです。大人になって初めて読んだという人間でして。

谷原:それは珍しい(笑)。僕は『ぐりとぐら』(※11)という絵本が大好きでした。ぐりとぐらが森ででっかい卵を見つけて、それでカステラを作るという、それだけの話なんですけど、このカステラがすごくおいしそうなんですよ。別に本に救われたわけじゃないですけど、自分にとっての「こんなのがあったらいいな」というのが『ぐりとぐら』のカステラなんです。読むたびにバターの香りが浮かんでくるんですよね。

道尾:「あったらいいな」というその思いだけで、人生が頼もしく感じられてきますよね。僕の学生時代からの友達が、あるところで手作りカステラをもらったらしいんですけど、「食べた瞬間に『ぐりとぐら』のカステラの味がした!」、と言って驚いていたことがあるんです。
僕はその話を聞いたとき、『ぐりとぐら』を読んでなかったんですけど、お話ってすごいな、と思いました。読んだことがない僕でも「そんなおいしかったのか!」と思いましたし、読んだことがある人なら、絶対に食べたくなるような表現ですよね。

谷原:食べたいですね(笑)。絵本の持つ力なんでしょうね。僕は『泣いた赤おに』(※12)とか『100万回生きたねこ』(※13)とか、読むたびに駄目ですね。泣けてしまって。

道尾:僕はさっきも言ったように絵本デビューが30歳過ぎてからなんです。ですから最初は基本から入ろうと思って『100万回生きたねこ』も買いました(笑)。『泣いた赤おに』なんかもそのころにまとめて読みました。それで、「絵本ってこういうものなんだ」という驚きがまだ新鮮なときに『ノエル』を書いているので、あのタイミングでなかったらもっと違う話になってたかもしれません。

※11 『ぐりとぐら』:作・中川李枝子、絵・山脇百合子。双子の野ねずみ“ぐり”と“ぐら”が主人公の物語。

※12 『100万回生きたねこ』:作・佐野洋子。100万回死んで、100万回生まれ変わったトラねこが、初めて他人を愛することを知る。

※13 『泣いた赤おに』:作・浜田廣介。人間と仲良くなりたい赤鬼と、赤鬼を助けたい青鬼の物語。

作品紹介

谷原章介(俳優)×道尾秀介(作家)のプロフィール


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