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ゲーミフィケーションで
脳に遊び心を持たせる

 どんな仕事でも、どんな勉強でも、必ず自分が成長できるアングルを見つけることはできます。それを探すためのとっておきの方法として、「ゲーミフィケーション」をご紹介しましょう。
 ゲーミフィケーションとは、課題解決や日常生活の様々な要素をゲームの形に置き換えて楽しみながらやるということです。これは特に、ルーティンワークや単純作業のようなことをやるときに効果を発揮します。
 目標とする時間や分量を設定し、「この仕事は何分で終える」「あと五枚、伝票を書いてから休憩する」と、まるでゲームを楽しむかのように遊び心を持って取り組んでみる。すると、脳の報酬系が刺激されて行動力、集中力がアップするのです。
 
 このゲーミフィケーションに欠かせない要素は、目標を達成した後で、満足感を得られるテーマを設定することです。
 英語の本を読んでいるなら、「あと二ページ読んでからお風呂に入ろう」と設定してみる。ゴール後に気持ちいいお風呂という満足感が待っていることで、前頭葉の回路が刺激されるというわけです。
 ゴールを決めてスタートし、達成したときの満足感を得る。このサイクルを毎日回しているかどうかで、成長のスピードは大幅に変わってきます。

 実際に、遊び心がある人というのは、やる気も維持しやすいものです。超多忙な敏腕経営者が、休日にゴルフやクルージングに熱中しているのは、単に遊びの目的ばかりではなく、よい仕事をする目的もあるのです。
 またこのゲーミフィケーションにより、自分だけの「勝ち負け」を決めることも、自分の成長できるアングルを見つけるための工夫となります。
 トップアスリートたちは「自己ベスト更新」のため、毎日の激しい練習を欠かしません。言い換えればそれは、昨日の自分に勝つということでもあります。「勝ち負け」という感覚が自分の成長に大きな役割を持つことを、彼らは知っているのです。
 単純作業であってもこれはまったく変わりません。
 勉強でいえば英単語の暗記、仕事でいえば会議の資料作成や梱包作業などにおいても、「自己ベスト」の更新を目指すことで大きな達成感を感じられます。
 記録を追求していく過程で、効率化のテクニックなども身につくことでしょう。

更新日:2015/6/24

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プロフィール

茂木健一郎 (もぎ けんいちろう)

1962年東京生まれ。理学博士。脳科学者。
東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学であり、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。
2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
主な著書に『脳とクオリア』(日本経済新聞出版社)、『ひらめき脳』(新潮社)、『脳を活かす勉強法』(PHP 研究所)、『金持ち脳と貧乏脳』『男脳と女脳』(ともに総合法令出版)、『この法則でゾーンに入れる! —集中「脳」のつくり方』(朝日出版社)などがある。

 

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