「笑い」で緊張をほぐす
よく笑うかどうか。それも、声を出して笑うかどうか。
精神科の医師やカウンセラーは、こうしたことを結構、重視しています。
「箸がころんでもおかしい年ごろ」というくらいで、若いときは、なんでもないことに声を立てて笑ったもの。
ところがビジネスマンになると、めったなことでは笑わなくなってしまいます。ところかまわずゲラゲラ笑え、とは言いませんが、家にいるときとか、親しい人と一緒のときなどには、お腹を抱えて、声を立ててどんどん笑ってほしい、と思います。
笑いは人間が高等動物である証拠です。笑うとNK細胞が活性化して、免疫機能が高まるとか、笑うと前頭葉に酸素が行きわたり、パニックや過度な緊張をほぐす効果がある、などと言われますが、いちばんの効果は、大笑いすると、心のモヤモヤがどこかに飛んでいってしまうことでしょう。笑うだけで、精神の緊張がほぐれるのです。
欧米では、巧みなジョークを飛ばして笑いを誘うこともビジネススキルの一つ。ユーモアセンスのある人を、本物のジェントルマンと言うそうです。
私も講演のはじめには、軽くジョークを言って笑っていただき、それから本題に入るようにしています。
鏡を見てあなたの表情が硬かったら、心も固まっていると考えて間違いありません。そんなときは作り笑いでもいいから笑いましょう。テレビで見たお笑い芸人のばかばかしいパフォーマンスを思い出し、声を出して笑えたら上出来です。
それだけで、表情はゆるむはず。すると心もゆるんで緊張がほぐれ、たいていのことは冷静に受け止められます。
更新日:2016/3/29