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本当にポジティブな人とは、
自然体の人

 そもそも、本当の意味での「ポジティブ脳」の人とはどんな人なのでしょうか。ひとことでいえば、決して無理をしていない状態の人を指します。
 たとえば、ものすごく複雑なコンピュータのプログラミングをひたすらやり続け、今までにない美しさの映像をつくり上げる人などがそうでしょう。
 このような人は、他人から見ればものすごく複雑で面倒くさい作業をしているように見えるけれど、本人からすればそれが楽しくてしようがない人です。
 努力ではなく、呼吸しているのと同じくらい、自然にやっているだけ。たしかに呼吸するのに、努力はいりませんよね。
 またその一方で、なんだか外見はダラ~ッとしてやる気がなさそうに見えるけれど、めざましい行動力を発揮して、大きな結果を残してみんなを驚かせている人もいます。
 それは、私の友人でIT起業家の家入一真さんという方です。
 彼は29歳のとき、自分でつくった会社でジャスダック市場の最年少上場記録をつくったばかりでなく、2014年には東京都知事選に立候補し、街角やインターネットで、若者が本当に安心できる「居場所」をつくろうと呼びかけました。
 まさに大きな結果と、すばらしい行動力です。けれども彼は、それをほめられたときには「はぁ、そうですね」と元気なさげ……。そんな人もいるんです。
 ここでいいたいのは、「こういう人になりましょう」というおすすめではありません。「ポジティブ脳」の発揮のさせ方には“これぞ正解”というものが存在しない、ということです。
 こんなふうに自然体の「ポジティブ脳」を持った人たちが、あちこちで活躍しているのが今という時代なのです。
 では「正解」がない日常を、私たちはどうやって生きていけばいいのか。それをこれからお話ししていこうというわけです。

更新日:2016/5/30

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プロフィール

茂木健一郎 (もぎ けんいちろう)

1962年東京生まれ。理学博士。脳科学者。
東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学であり、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。
2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
主な著書に『脳とクオリア』(日本経済新聞出版社)、『ひらめき脳』(新潮社)、『脳を活かす勉強法』(PHP 研究所)、『金持ち脳と貧乏脳』『男脳と女脳』(ともに総合法令出版)、『この法則でゾーンに入れる! —集中「脳」のつくり方』(朝日出版社)などがある。

 

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