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三日坊主になりやすい人は
「T字型人間」になれ!

 作家の村上春樹さんは、自らの創作活動を「井戸を掘ること」にたとえていらっしゃいます。自分の心の底に向かって、長い時間をかけ、ひたすら集中して、深く深く掘り進み、予想もしなかった作品世界を自分の脳の中に掘り起こしていく……。非常に上手なたとえではないかと思います。 
 この井戸を掘ることは、アルファベットの「I」の字のように、垂直に掘り進むだけの行為に思われるかもしれませんが、実は違います。
 物事を深く考え、掘り下げていく行為の裏には、思考の力だけではなく、幅広い知識や見識が求められるものです。ちょうど画びょうのように、垂直に降りていく思考という一本の針があり、そこを支える広い平面が知識見識という具合です。
 村上さんに限らず、物事を極めていくためには一直線に進む思考力・行動力と同時に、それを支える幅広い経験と知識見識が必要だと私は思うのです。
 私はこのように、縦と横の両方のベクトルで物事をやり抜いていける人のことを「T字型人間」と呼んでいます。
 画びょうを下向きにして横から見た時、ちょうどT字に見えますよね? 画びょうをしっかり刺すためには、広がった部分がなければ深く差すことはできません。これと同様に、何かをやり抜くためには、ただ井戸を掘るように前に進むだけではなく、さまざまな多様性を探りながら、脳のバランスを取っていかなければならないということです。
 このT字型人間になることこそが、何かをやり抜いて大きな結果を出すためには必要不可欠なのです。
 村上さんに限らず、たとえば伝統工芸の職人さんにも共通のものを感じます。
 テレビでたびたび、職人さんの日常を追ったドキュメンタリー番組などがオンエアされるのをご覧になった方も多いでしょう。そうした番組では多くの場合、取材対象の「この道一筋何十年」といった側面ばかりを強調しますが、実際にお話を伺ってみると、たいていの場合、そのイメージとは異なった意外な一面を持ち合わせています。

mogi_20170622

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。8回目の次回は6月29日掲載予定です。)

 

更新日:2017/6/22

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プロフィール

茂木健一郎 (もぎ けんいちろう)

1962年東京生まれ。
東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。
理学博士。脳科学者。
理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職はソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。
専門は脳科学、認知科学であり、「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究するとともに、文芸評論、美術評論にも取り組んでいる。
2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。
2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
主な著書として、『結果を出せる人になる!「 すぐやる脳」のつくり方』『もっと結果を出せる人になる! 「ポジティブ脳」のつかい方』(ともに学研プラス)、『人工知能に負けない脳』(日本実業出版社)、『金持ち脳と貧乏脳』(総合法令出版)などがある。

作品紹介

IQも才能もぶっとばせ!やり抜く脳の鍛え方


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