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間違ったライフスタイルは
変えられるのか

◆勇気さえあればライフスタイルは変えられる

 そもそも人が自分のライフスタイルを持つに至ったのは、知らないうちとはいえ自分自身の選択の結果です。したがって、これを修正するのもまた自らの選択です。
 従来の態度を変更するのには苦痛が伴うでしょう。しかし、社会との不適切な関係が延々と続くよりも、いま勇気を出して一歩踏み出し、新しいライフスタイルを持つ自分に生まれ変わる方が、より充実した人生を送れるに違いありません。
 そもそもライフスタイルと社会適応の齟齬が起きるのは、コモンセンスを使わずに私的論理を用いるからだ、とアドラーは考えました。
 コモンセンスとは他者や社会、共同体にとって価値あるものの見方、私的論理は自分だけにとって価値あるものの見方、と考えればわかりやすいでしょう。私的論理を用いると、その人の行動は自分にとって価値あるもののみを追求します。しかし目標が達成されたとしても、利益を得るのはその人だけで、他の人は何の利益も得られません。
 人間の本質を思い出してください。人間は生物学的劣等性を補うために集団を形成しました。遠い過去に遡る人間の習性はいまも変わりませんし、変えようがありません。ですから人が集団の中で生きていくには、私的論理ではなくコモンセンスに従って集団の利益に貢献しなければなりません。
 実際、よくよく考えてみると、自分の利益のみ追求するという態度は、何万年も前から人類がとってきた、集団を形成するという手法に抗う態度です。
 このような態度をとる人に勝ち目はあるのでしょうか?

◆集団への貢献に目標を変える

 こうしてやがてアドラーは、共同体感覚の重要性を説くことになります。これは、人が自分の所属する共同体に貢献することで、自分が共同体の一部だと認識する考え方です。つまり共同体感覚を得るということは、私的論理を優先させたライフスタイルを、コモンセンスに基づいたライフスタイルに変えるということです。
 間違ったライフスタイルを持つ人にとっては、以上について気づくこと、そして勇気を持ってライフスタイルを変えること、要するにまずは自分が変わり、その上で社会との適切な関係を再構築すること、これらが重要になります。
 お気づきの方もいらっしゃると思います。右の考え方はスティーブン・コヴィーが提唱した「7つの習慣」の内面化と外面化の概念と全く軌を一にします。

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更新日:2015/3/27

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プロフィール

中野 明 (なかの あきら)

ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。同志社大学非常勤講師。「情報通信」「経済経営」「歴史民俗」の3分野をテーマに執筆活動を展開。
著書は『物語 財閥の歴史』(祥伝社新書)、『グローブトロッター 世界漫遊家が歩いた明治ニッポン』『今日から即使える! ドラッカーのマネジメント思考』(朝日新聞出版)ほか多数。

作品紹介

超図解 勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本

nakano_cover201503フロイト、ユングと並ぶ心理学の巨人、アルフレッド・アドラーの業績、人物、影響力を、短時間で一気に理解できる超図解本。

定価:本体1,200円+税/学研パブリッシング


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