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『21世紀の資本』のエッセンスを大づかみする

 フランスの経済学者トマ・ピケティの著作『21世紀の資本』は、そのタイトルから、多くの人はマルクスの『資本論』を想起することでしょう。
 しかしピケティは『21世紀の資本』でマルクスに若干言及はするものの、この本はマルクスの『資本論』とほとんど関係はありません。そもそもピケティ自身、マルクスの『資本論』を一度もきちんと読んだことがない、と公言するほどですから。
 ピケティはこの『21世紀の資本』において、資本主義経済では経済成長率が低くなると、蓄積された富から得られる所得は労働所得よりも急速に増大し、そのまま放置すると経済格差が自動的に拡大すると主張しました。
 特に現在の先進国では、資本の優位性が復活してきており、このままだと21世紀の社会は、経済格差の著しかった18〜19世紀のヨーロッパ社会に逆戻りする可能性がある、とピケティは警告しています。その上で、単に問題を提起するだけでなく、著しい経済格差を回避するための、ピケティなりの処方箋についても論じています。
 そもそも本来的に資本主義は、資本所得の伸びが労働所得の伸びを上回る性質を持っているとピケティは主張します。のちに詳しく解説するように、ピケティはこれを「r>g」という不等式で表現しました。
「r」は資本収益率で、資本が生み出す所得(金利や地代など)が資本に占める割合を示しています。一方、「g」は国民所得の成長率(以下、経済成長率と表記)です。 ですからこの不等式は、資本収益率が経済成長率よりも高いことを示しています。

更新日:2015/4/8

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プロフィール

中野 明 (なかの あきら)

ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。同志社大学非常勤講師。「情報通信」「経済経営」「歴史民俗」の3分野をテーマに執筆活動を展開。
著書は『物語 財閥の歴史』(祥伝社新書)、『グローブトロッター 世界漫遊家が歩いた明治ニッポン』『今日から即使える! ドラッカーのマネジメント思考』(朝日新聞出版)ほか多数。

作品紹介

一番やさしい ピケティ「超」入門
『21世紀の資本』と「格差社会」を今日から語れる本

nakano201504資本と格差の問題に切り込み世界に影響を与えた大著『21世紀の資本』。著者ピケティの理論と著作の概要が短時間でつかめる本。

定価:本体1,200円+税/学研パブリッシング


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