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「r>g」だと、いったい何が困るのか

「r>g」が事実だとすると困ったことが起きます。というのも、社会にある資本が不平等に分配されているからです。そのため、経済成長が停滞して労働所得が伸び悩むと、資本の優位性が高まって、資本(資産)を所有する「富める者」がさらに富む一方、資本(資産)を所有しない「貧しき者」がさらに没落することになりかねません。
 では、これを回避する手はあるのでしょうか。ピケティは「ある」と言います。
 それは、国家が経済格差の要因である資本格差の是正に積極的に取り組むこと、いわば国家の役割を組み込んだ新しい資本主義の実現を目指すことです。そのための手法としてピケティは「累進課税をベースにした所得税および世界的な資本税」の導入を提唱します。『21世紀の資本』でピケティは、以上の主張を展開するために膨大なデータを駆使しました。その結果、700ページを超える大著になったわけです。
中野さんイラストA

更新日:2015/4/15

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プロフィール

中野 明 (なかの あきら)

ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。立命館大学文学部哲学科卒。同志社大学非常勤講師。「情報通信」「経済経営」「歴史民俗」の3分野をテーマに執筆活動を展開。
著書は『物語 財閥の歴史』(祥伝社新書)、『グローブトロッター 世界漫遊家が歩いた明治ニッポン』『今日から即使える! ドラッカーのマネジメント思考』(朝日新聞出版)ほか多数。

作品紹介

一番やさしい ピケティ「超」入門
『21世紀の資本』と「格差社会」を今日から語れる本

nakano201504資本と格差の問題に切り込み世界に影響を与えた大著『21世紀の資本』。著者ピケティの理論と著作の概要が短時間でつかめる本。

定価:本体1,200円+税/学研パブリッシング


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